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マリアさん誕生日SS
本日8/7はシンフォギアのキャラクター、マリア・カデンツァヴナ・イヴさんのお誕生日

シンフォギアGからマリア好きのつばマリ好きでしたが、GXにて思いがけず公式つばマリが多くてほくほく。
てなわけで、マリアの誕生日SSです。

今日中に間に合わせるためにちょっと駆け足&サイトをいじってる余裕がないため、ブログ掲載をしますが、余裕ができたらサイトにアップしてます。
もしかしたらサイト掲載時には少し手直しをするかもしんない。誤字脱字のチェックも甘いしな。

では、続きからどうぞ。
 
 
 




 
 
「マリア、ちょっといいか?」
 打ち合わせが予定よりもかなり早く終わって場が解散になったので、マリアは部屋へ戻ろうとしていた。
「何? 翼」
 決して慌てるでなくマリアを追ってきた翼は、マリアを外出に誘った。
「思いがけず早く終わったから部屋の掃除でもしようかと思ったんだけど……」
「掃除なら今度私も手伝うから、今日は一緒に出かけてくれないか?」
 『手伝う』という言葉に信憑性はまったくないものの、誘い自体は嬉しい。だが今から出かけるのでは帰りが遅くなるのではないか? だとしたら調と切歌に連絡をしないと、とためらうマリアに、翼が「夜までには帰るし、二人には自分から連絡を入れておくから」と説得し、漸くマリアは外出を了承した。

「ところでマリアはジーンズはあるか? 出来れば厚めで足首までカバー出来るもの。それと厚めの長袖の上着」
「なんで? 今は夏よ?」
「バイクで出かけるんだ。もし無いのなら私のを貸すが?」
 あると答えたマリアに、30分後に正面玄関で待ち合わせと言いおいて、翼は足早にその場を去った。
 自室に戻ったマリアは翼の要求どおりの服に着替え、念のためにと調と切歌へ書き置きを残した。

 マリアが外に出ると、正面玄関には既に翼の姿があった。きっちりとしたライダースーツではなく、革ジャンにジーンズで足元はライダーブーツと、マリアに合わせた格好だった。翼はマリアにヘルメットを渡すと、バイクに乗るように促した。
「どこへ行くの?」
「まあ、私に任せてくれ」
 笑顔で問いをはぐらかされたが、運転するのは翼なのでマリアは敢えて追求をしなかった。
「ちゃんと掴まるんだぞ?」
 マリアは翼の腰にキュッと掴まった。


 街中を走っているせいか、翼はかなりの安全運転だった。マリアを後ろに乗せているから余計に慎重になっているのだろう。マリアも初めて翼のバイクに乗るので少し緊張していたが、運転が優しかったため、いろんな意味での緊張がほどけてきた。

 目的地に着いたらしく、翼はコインパーキングにバイクを止めた。そしてカバンからサングラスを出してかけ、マリアにも一つ渡した。
「五分くらいだが歩くからかけておけ。一応私達は有名人だからな」
 

 マリアはどこに行くのかと敢えて聞くこともせず、素直に翼に付いていった。そして歩くこと五分弱。着いたところは喫茶店だった。
「いらっしゃいませ」
 二人が店内に入るとカウンターの中からマスターが声をかけてきた。翼は勝手知ったるとばかりに少々奥まった席に座ると、サングラスを外した。
「ここは昔から馴染みの店だからサングラスを外しても大丈夫だぞ」
 わざとそういう造りにしているのか、それとも本当に年月が経っているのかはわからないが、良く言えばアンティーク、悪く言えば古めかしいが、落ち着いた雰囲気のこぢんまりとした喫茶店だった。少々の後、マスターがテーブルにやってきた。
「いらっしゃい。久しぶりですね、翼さん。お連れの方を紹介していただけますか?」
「ああ、こちらは私の…………マリアだ」
 何故だか言いよどんだ翼に一瞬違和感を覚えたが、ひとまず気にしないことにしたマリアはマスターに笑顔を向ける。
「初めてまして、マリアです」
 フルネームは覚えづらいだろうと名前だけ名乗るマリアにマスターは笑顔を返した。
「ゆっくりしていってください」
 メニューと水を置いて、マスターはカウンターに戻っていった。
 マスターが去ると、翼はうきうきした様子でメニューを開いた。
「ここのケーキはみなおいしいのだ。全部マスターの奥さんの手づくりでな」
 言われてメニューを見れば、なるほどおいしそうなケーキの写真が数枚あり、その日に無いものには紙が貼られている。
「どれにするかな」
 嬉しそうにケーキを選ぶ翼はいつもの防人の厳しさとは違い、年相応の女の子の顔をしていて、翼を見るマリアの表情も和らいだ。
「よし、決めたぞ」
 翼はスフレチーズケーキとコーヒー。マリアはフルーツタルトに紅茶を注文した。

 運ばれてきたケーキに二人とも目を輝かせる。
 見た目、味共に申し分ないケーキを楽しみ、ゆったりとした時間を過ごしていたが、壁の時計を見上げた翼はそろそろ店を出ると言い出した。特に反論すべきこともないので席を立つ。代金は自分が払うと言ってきかない翼に会計を任せ、翼の後ろにいたマリアにマスターはキャンディをふたつくれた。
「翼さんと一緒に食べなさい」
 柔らかな笑みと共に言われ、マリアは素直に頷いた。

 再びバイクに乗り、街中を離れる。



 次に連れていかれたのは海岸だった。遊泳禁止区画の岩場近くにバイクを停め、岩場に降りた。まもなく日も暮れようとしているが、遠くからは海水浴客の声が聞こえる。しかし二人がいる岩場付近には人影がなく、とても静かだった。
「少し早かったようだ」
「?」
「ここからの夕陽がとても綺麗でな。マリアに見せたかった」
「そうなの? ありがとう。でもこの景色だけでも十分綺麗よ」

 ポツポツと言葉を交わして待つことしばし。漸く日が沈み始めた。赤く燃える太陽が辺りを自らの色に染めながら海に隠れようとしていく。
「ほんとね……すごく綺麗」
 目を細めて夕陽と海を見つめるマリアを、翼は横目で見つめている。まもなく沈みきるというところで翼がボソッと言った。
「この景色をマリアと一緒に見られて私は嬉しい」
 その言葉に翼を振り返ったマリアは、ふいにジャケットのポケットを探った。
「翼、はい、これ」
「なんだ?」
「今のあなたの言葉で思い出したの。マスターがくれたのよ」
 翼はキャンディを受け取ると包みを破って口に入れた。一方マリアはなかなか開けられないらしく、キャンディの包みの向きをいろいろ変えていた。
「あ、あれ? ……開かない。んっ、ダメね」
 四苦八苦しているマリアに翼が手を貸そうとした瞬間、「あっ」という声がして、キャンディが飛び出してきた。
 カツンという乾いた音の後、ポチャンという音と共にキャンディは海に沈んでいった。呆然とするマリアは少しシュンとしている。

「マリア? どうした?」
「……マスターがね、翼と一緒に食べなさいってくれたの。だからこの景色の中で翼と一緒にキャンディをなめたかったなって。別に大したことじゃないけど、せっかくマスターが言ってくれたのになって」
 大したことじゃないと言いながらも、マリアはしょんぼりして見える。すると翼はマリアの肩を引き寄せた。
「マリア」
 引き寄せて傾いだ身体を抱きしめて、翼はマリアに口づけた。突然の行動に目を見開いたマリアは、直後に何度も大きくまばたきをした。
 そして顔が離れた時、翼が舐めていたキャンディはマリアの口に移動していた。
「つ、翼! あなたいきなり何を!」
 抱きしめられていた胸元から思い切り身体を離す。
「お前が一緒に食べたいと言うから分けたのではないか」
 その言葉で口移しでキャンディを渡されていたことに気づいて真っ赤な顔になったマリアに、翼はしれっとした態度でマリアの手を取った。
「タイミングが悪かったな、すまない。ただマリア、これだけは言わせてくれ」
「な、何よ?」
 急に真顔になった翼にうろたえるマリアの瞳を、翼は真っ直ぐに見つめた。
「マリア、誕生日おめでとう。そして、生まれてきてくれて、私と出会ってくれてありがとう。私はこれからもずっとマリアと一緒にいたい」
「…………え?」
 一瞬何を言われたのか理解出来ずにマリアは固まった。
「なんだ、もしかして自分の誕生日を忘れていたのか?」
「え、ええ。忘れていたわ……翼、ありがとう」
 礼を言ったマリアは開けていた距離を詰め、翼に体重をかけて寄りかかった。翼もマリアの肩に腕を回し、寄り添って沈みゆく夕陽を眺めた。
「さて、そろそろ戻るか。遅くはならないと言ってきたのだからな」
「そうね」
 名残惜しそうに翼から離れたマリアに、翼は軽くキスをした。今度はマリアもおとなしく唇を受け止めた。
「また一緒に夕陽を見に来よう」
 


 翼のバイクで部屋まで帰る。すると翼はマリアの部屋に一緒についてきた。
「どうかしたの?」
 マリアが尋ねても翼ははぐらかすだけだった。そんな翼をいぶかしみながらもマリアが鍵を開けて部屋に入る。
「ハッピーバースデー! マリア!」
 パーンという破裂音と共に複数の声がした。驚いたマリアはそこに勢ぞろいしたS.O.N.G.のメンバーの姿を見た。

「マリアくん、誕生日おめでとう!」
 代表として指令が祝いを述べると他のみんなも口々に「おめでとう」と声をかけた。
「翼さん、お帰りなさい」
 よくよく聞くと、随分前からマリアの誕生日パーティーの話が出ていて、マリアにバレないようにと計画を立てていたらしい。しかも今日の打ち合わせが早く終わったのもそのためで、翼がマリアを連れ出したのはパーティーの準備中にマリアを部屋から離しておきたかったからだと打ち明けられた。
「翼、あなた……」
「待て、マリア。確かに連れ出したのは計画のうちだが、あの時言ったのは嘘ではない」
 海でのことはすべて芝居だったのかとマリアが疑っているのを察した翼が慌てて弁解する。そのうろたえようで芝居ではないとわかったマリアは小さく笑った。
「そうね。翼があんな演技が出来るほど器用なわけないものね」
 マリアのセリフを聞いた者はみな、普段の翼のことを考えて笑った。マリアは今までで一番幸せな日だと微笑んだ。

 楽しい誕生日パーティーはこれからが本番だった。




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