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つばマリSS2作目
ハマりたてはペースが速いwww 
てなわけで、つばマリの2作目です。そのうちにサイトに移動する予定ですが、とりあえずこちらへアップ。

次は今のところ未定。






 

「切歌、調、帰りましょう」
 ある日、一日の業務が終わったマリアは調と切歌に声をかけて一緒に帰ろうと誘った。元々誘わずとも、何事も無い日は一緒に帰っているのだが、そこはやはり年長者の自覚だからかそれとも習慣からか、つい声をかけてしまうのだった。
 マリアの声を聞いて振り返った調と切歌は、マリアの後ろから翼が歩いてくるのを見つけた。そしてマリアに気づかれないように二人は目くばせをした。
「お疲れ様。今から帰るのか?」
 三人に向かって軽く手を挙げながら翼は言った。


「あら翼、お疲れ様」
「……お疲れ様です」
「デース」
 挨拶を受け取りつつも、翼はそのままマリアの背後に立ち、肩にポンと手を置いた。
「ところで二人とも、今日はマリアを借りて行くぞ?」
「借りるって何だ? 私は物じゃない」
 にこやかに言う翼に、マリアがかみつくように反論する。しかし翼はそんなマリアを軽くいなし、肩に置いていた手をさりげなく移動させて腰を抱いた。
「いいじゃないか。たまのことだろう?」
「ちょっと、どこ触ってんのよ。じゃなくて、そうしょっちゅう調と切歌を二人だけになんてしておけないじゃない」
 言い合いをしながらも、いちゃついているようにしか見えない翼とマリアを見る調と切歌は、「またか」という目をしている。しかも翼は「たまに」と言ってはいるが、実際のところ少なくとも週に一度は翼はマリアを自室に連れ帰っていた。そう、マリアがうっかり「しょっちゅう」などとこぼしてしまうくらいには。


 初めの頃こそ翼がマリアを誘うのはまれなことで、それでもマリアは不満そうな表情をしつつも翼に着いていき、翌日戻ってきたときに不機嫌だったりしたことが多々あった。そんなマリアの心配をしていた調と切歌であったが、『借りていく』ことが頻繁になってきた最近は、マリアが口ではなんだかんだ言いつつも嬉しげで、翌日は二人ともつやつやとした姿で現れるようになったので、次第に事情を察するようになっていた。

「あー、翼サン」
「ん? なんだ?」
 小さく手を挙げて切歌が翼を呼ぶが、切歌ではなく調が後を続けた。
「……翼さん、マリアのこと、壊さないでくださいね」
「なっ!? 何言ってんの、調!!」
 調の言葉にマリアは動揺し、うっすらと頬を染めた。だが翼は愉快そうに笑って反論した。
「ああ、私の大切なマリアを壊すわけにはいかないからな。もちろん自重はする。だがな、むしろ壊されそうになるのはいつも私の方なのだぞ?」
「おおおお! 衝撃の事実デース!!」
「そうだったの。マリアの方が……」
 三人の反応に、ますますマリアの顔は赤くなる。
「ちょ、ちょっとあなたたち! っていうか翼! あなたね、切歌と調の前でなんてこと言うのよ! それに私だけじゃないじゃない、あなただって大概よ!」
 マリアは顔どころか耳や首まで朱に染めて怒鳴るが、マリア以外の三人はどこ吹く風だ。しかもマリアの言葉尻をとらえてにやにやしている。その顔を見たマリアは自分の失言を悟った。
「と、とにかく」
「まあまあ、いいデスよ、マリア」
 なおも言いつのろうとしたマリアを制するように切歌が言い、マリアはもう黙るしかなかった。そして調がマリアの背中を押して翼にマリアを引き渡す。
「私たちなら大丈夫だから。行ってきていいよ」
「調……。ありがと。でもね、二人だからってお菓子ばっかり食べないでちゃんと夕食を取るのよ? 戸締りもきちんとして、夜更かししないで早めに寝るのよ」
 今更ながらにあれこれと注意するマリアのことを翼は苦笑交じりで見つめる。普段自分もマリアから口うるさく言われていることを思い出しているのであろう。
「もうそこらへんにしておいてやれ」
 翼に促されて漸くマリアは翼に向き合った。
「では行くか。ではまた明日」
「いってらっしゃい」
「いってくるわ。二人とも、ほんとに気を付けるのよ」
 

 翼と二人になってからもまだマリアは調と切歌のことを気にしていた。
「まさか二人に気づかれていたなんて……うかつだったわ」
「これだけ頻繁に私と夜を過ごしていれば気づかれても仕方ないかもしれぬな」
 恥ずかしがっているだけではなさそうにしょんぼりするマリアの肩を翼は優しく抱いた。
 どうもマリアは調と切歌には母親のような気持ちで接している部分が大きいようで、「母親が子供に失態を見せた」とでも思っているらしかった。
「なあマリア」
「なに?」
「マリアはあの子たちの母親ではないのだぞ。年齢から考えても『姉』だ。だとしたら姉に恋人ができたことを厭う妹がいるか? そりゃ、世の中には嫌がる者もいるかもしれないが、少なくともあの子たちはそんなことを思う子ではないだろう? もっとも姉を取られてさびしいとは思っているやもしれんが」
 翼に言われ、マリアはハッとしたように顔を上げた。
「そうね。私、マムの代わりにしっかりしなきゃと思って気負いすぎていたのかもしれないわね。それにあの子たちのことをいつまでも小さな子供だと思っていたみたい。ありがとう、翼。少し気分が軽くなった。お礼に今日は私をあなたの好きにしていいわよ。但し、壊さない程度に」
 先程までの沈んだ様子はどこへやら。闘いに赴くような凛々しい瞳になったマリアは、色気というよりは闘気に満ちた流し目を翼にくれた。
「いいだろう。望むところだ」
 翼はマリアの視線をしっかりと受け止め、自分よりもほんの少しだけ高いマリアの瞼に軽く唇を当てた。
 
 

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シンフォギア | 15:08:33

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